薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
仕事そのものも嫌いではない。

人と必要以上に関わらなくていいし、時給も悪くない。シフトの融通も比較的利く。

私にとっては、いろんな意味でちょうどいい仕事だった。

「でも」

陸斗さんが言った。

「今は東五反田です」

「……そうなんですよね」

そこを、朝からちゃんと考えていなかった。

今日のような昼のシフトならまだいい。

けれど六時からの早番や、深夜帯の出退勤となれば話は変わる。

暢さんもスマートフォンを確認しながら顔を上げた。

「勤務先が分かれば終わりって話じゃないね。時間がここまで動くなら、毎回同じ対策じゃ無理だ。朝と昼と深夜じゃ、人通りも交通手段も違うし、帰る時間も変わる。今まで近かったから成立してた働き方でも、住む場所が変われば条件も変わるからね」

昨日までは、自分のシフトに合わせて家を出るだけだった。

でも、安全という意味で考えれば、時間が違うだけで状況も変わる。

「仕事そのものが嫌なわけではないんですよね?」

茂樹先生に聞かれて、私は頷いた。

「はい。仕事内容は嫌じゃないです。人とあまり関わらなくていいですし、時給もいいので」

「でしたら、仕事を続けるかどうかは別として、少なくとも深夜や早朝の勤務については少し考えた方がよさそうですね」

「……はい」

辞めろとは言われていない。

でも、今まで通りでもいられない。

その間をどうすればいいのか考えていると、少し離れたデスクで仕事をしていた純さんが顔を上げた。

< 78 / 290 >

この作品をシェア

pagetop