薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そこで、ふと時計が目に入った。

「あ」

全員の視線が集まる。

「それで……今日の十二時からのバイトは、どうするんですか?」

結局、そこだった。

これからどこで働くのかも大事だけれど、今日のシフトは数時間後に始まる。

陸斗さんが時計を確認した。

「まず、今日安全に行ける状態かを確認します」

「行けるなら?」

「行くかどうかは神宮寺さんが決めればいい」

「……はい」

暢さんも、私のスマートフォンから一度顔を上げる。

「こっちも一通り確認する。それと今日の移動方法。そこまで見てから決めよう」

「分かりました」

私はメモ用紙へ視線を落とした。

今日、十二時から十八時。

明日は休みで、その次は朝六時からの早番。

昨日までなら、ただシフト表に書かれている予定でしかなかった。

時間になったら家を出て、働いて、帰ってくる。

それだけだったのに、住む場所もスマートフォンも変わり、誰かに見られているかもしれないという可能性まで出てきた。そのうえ、昨日までは考えもしなかった新しい仕事の選択肢まで、今は目の前にある。

普通に働いて、普通に帰って、また次の日を迎える。

私はただ、それを続けるつもりだった。

けれど、“いつも通り”というものは、私が思っていたより簡単に形を変えるらしい。

そして、その変わり始めた先に何があるのか。

まだ私は、何も知らなかった。
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