薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「一人目は、髙橋耕史。私と同級生でした」

「その人も、未來さんと?」

茂樹先生が尋ねる。

「未來が紹介してきたんです」

今でも思い出せる。

『奏に合うと思うんだよね』

そう言って笑った未來の顔。

耕史も私に好意があるように見えたし、私も嫌ではなかったから付き合った。

最初は、それなりに普通だったと思う。

ただ、付き合い始めてからも耕史と未來の距離は妙に近かった。三人で一緒にいることも多かったし、気づけば私がいないところでも二人で会っていた。

「今なら、おかしいって分かります。でもその時は、未來が紹介してくれた人だから、元々二人が仲良くても当然なのかなって」

未來は友達で、耕史を紹介してくれたのも未來だった。

だから、二人の距離を気にする自分の方がおかしいのだと思っていた。

「でも、あとから知りました。耕史が好きだったのは、最初から未來だったんです」

「え?」

聖子さんが目を丸くした。

「じゃあ、どうして奏さんと付き合ったの?」

「未來に言われたからです」

「……は?」

予想通り、聖子さんの声が一段低くなる。

「未來に『奏と付き合って』って言われて、それで付き合ったみたいです」

口にしてみると、今でも何とも言えない気分になる。

恋人に裏切られた。

それなら、まだ分かる。

でも私の場合は、そもそも彼に選ばれてすらいなかった。

「何のために、未來さんはそんなことを?」

征さんが尋ねる。

「分かりません」

私は首を横に振った。

「その時は、知ろうとも思いませんでした。自分が最初から選ばれてなかったって分かっただけで、もう十分だったから」

「それで、未來さんとは?」

今度は茂樹先生だった。

私は少しだけ視線を逸らす。

「……友達のままでした」

三人の顔が、ほとんど同時に何とも言えない表情になった。

「分かってます。今なら私も、何でって思います」

思わず苦笑する。

でも当時の私は、未來を疑うという発想そのものを持っていなかった。

悪いのは耕史。未來は、ただ耕史に好かれていただけ。

そう思うことにした。

そうしなければ、恋人だけではなく、友達まで一度に失うことになる。

もしかすると私は、それが嫌だったのかもしれない。

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