薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「……征さん」

「はい」

「これ、偶然だと思いますか」

征は少し間を置いた。

「今の段階では、関連があるとは断定できません。ただ、タイミングとしては出来すぎています」

「ええ」

陸斗はすぐに茂樹へ電話を掛けた。

数回の呼び出し音で繋がる。

『陸斗?』

「父さん、今LINEを確認しました。神宮寺さんは?」

自分でも分かるくらい、声が早い。

『大丈夫だよ。愛梨さんと合流して、今は二人でカフェにいる。私ももう近くまで来ている』

「一人にはしてませんね?」

『してないよ』

「未來からのLINEは?」

『暢くんも確認している。詳しいことは戻ってからだ』

その言葉に、ほんの少し息を吐いた。

「分かりました」

『こっちは私が連れて戻るから、君は慌てなくていい』

「慌ててません」

一拍。

電話の向こうで茂樹が少し笑った気配がした。

『そういうことにしておこうか』

「父さん」

『はいはい。ちゃんと連れて帰るよ』

通話が切れた。

陸斗は無言でスマートフォンを下ろす。

隣で征がこちらを見ていた。

「何ですか」

「いえ」

「何か言いたそうですね」

「別に」

朝、自分が奏へ返した言葉を、そのまま返された気がした。

陸斗は小さく眉を寄せる。

「事務所へ戻ります」

「はい」

歩き出しかけて、もう一度スマートフォンを見る。

奏から新しい連絡はない。

茂樹と愛梨が一緒なら、安全面は問題ない。

分かっている。

それでも、自分の目で彼女が無事だと確認するまでは落ち着かなかった。

依頼人だから。

昨日、危険なことがあったから。

自分が担当している案件だから。

理由なら、いくらでもつけられる。

――少なくとも、この時の陸斗は、まだそう思っていた。
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