薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――

第十一話 ――まさかの遭遇! これは必然ですか?――

茂樹先生の車で事務所へ戻り、愛梨さんと一緒に二階へ上がった。

扉が開いた瞬間、私はその場で足を止める。

「……何、これ」

昨日までにも、ここが普通の法律事務所ではない気はしていた。

でも今日は、さらにおかしい。

壁際のホワイトボードには昨日より明らかに資料が増え、両親の事故、会社関係、坂上幹司、未來、元交際相手たちに加えて、今日の勤務先に関する情報まで張り出されている。

日付や名前の間には矢印と手書きのメモ。その横には、大きなスクリーンまで用意されていた。

……本当に何が始まるの?

その前では、暢さんが長い髪を後ろで束ね、ノートパソコンと睨めっこしている。

朝、カフェでコーヒーを淹れていた時とは、まるで別人だ。

なのに、その横では。

「暢、そこもう少し大きく出来ないの?」

「姉さん、今やってるから」

「でも見えにくいわよ」

「だから今やってるって」

今度は聖子さんまで加わる。

「姉さん、それはまだでしょう」

「そうなの?」

「そうよ」

「じゃあ、これは?」

「姉さん、ちょっと黙っててくれる?」

「えー! 酷い!」

……相変わらずだ。

コピー機の前では純さんが次々と出てくる資料を抱え、少し離れたところでは、先に戻っていたらしい陸斗さんと征さんが低い声で話している。

ホワイトボードにスクリーン、大量の資料とパソコン。

何人もの人が同時に動いている光景を見ていると、どうしても同じ疑問が浮かんでくる。

「……ここ、本当に法律事務所ですよね?」

隣の愛梨さんが、私の顔を見て小さく笑った。

< 94 / 290 >

この作品をシェア

pagetop