天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
朱璃が藍衣を恨んでいるなら関係の修復は難しいが、罪悪感を抱えているだけなら、話し合いの余地がある。
自分は姉を恨んでなどいない、それが伝わればいいのだ。
「実際にすべて姉のせいだとしたら、藍衣は恨むか?」
ぶるぶると大きく首を横に振る。
事故の日、なにが起きたのかはわからない。だが、ふたりには長い年月をともに過ごしてきた絆がある。一時の気の迷いを許せないほど、その絆は脆くない。
「それなら、手紙を書いてみたらどうだろう。文章なら冷静に受け取ってもらえるかもしれない」
黎士の提案に、きゅっと肌掛けを握る。
手紙なら、一方通行ではあるが気持ちを伝えることができる。恨んでいない、怒るつもりもないと伝えるだけなら充分だ。
「家に戻ったら、早速書いてみます」
「そうするといい」
読んでもらえると信じて――あわよくば返事をもらえることを祈って、この気持ちをしたためようと心に決める。
黎士がゆっくりと立ち上がった。
「せっかくだから、海でも見に行ってみるか?」
そう言って歩き出す彼のあとを、藍衣は追いかける。
自分は姉を恨んでなどいない、それが伝わればいいのだ。
「実際にすべて姉のせいだとしたら、藍衣は恨むか?」
ぶるぶると大きく首を横に振る。
事故の日、なにが起きたのかはわからない。だが、ふたりには長い年月をともに過ごしてきた絆がある。一時の気の迷いを許せないほど、その絆は脆くない。
「それなら、手紙を書いてみたらどうだろう。文章なら冷静に受け取ってもらえるかもしれない」
黎士の提案に、きゅっと肌掛けを握る。
手紙なら、一方通行ではあるが気持ちを伝えることができる。恨んでいない、怒るつもりもないと伝えるだけなら充分だ。
「家に戻ったら、早速書いてみます」
「そうするといい」
読んでもらえると信じて――あわよくば返事をもらえることを祈って、この気持ちをしたためようと心に決める。
黎士がゆっくりと立ち上がった。
「せっかくだから、海でも見に行ってみるか?」
そう言って歩き出す彼のあとを、藍衣は追いかける。