天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
モノトーンのリビングにレモンイエローのクッション、ダイニングにはミントグリーンのランチマット。ほぼ空っぽの食器棚に、柄付きのボウルやペアプレート、ペアマグを並べる。

「ほら。綺麗でしょう?」

ブラックの食器棚に、淡いグリーンとピンクの草花模様が施された白磁の皿が差し込まれるのを、黎士はじっと見つめる。

自分がやっているのはお節介な自己満足にすぎないという自覚はあった。そもそも彼はインテリアに興味がない。それを、文句を言わずに付き合ってくれただけでも御の字だ。

だが、黎士は感じ入るように目を細めると「うん、いいな」と小さく呟いた。

「こうやってキッチンに立つたびに、藍衣を感じられる」

「わ、私じゃなくて! 潤いを感じてください」

ちなみに、藍衣としては目線の高さに食器を並べたのだが、背の高い彼からすると見下ろす位置にあるらしい。

ちらりと視線を藍衣の方に移すと、さりげなく腰に手を回してきた。

「ペアプレート、眠らせておくのはもったいないから、ちゃんとご飯を食べに来て」

藍衣の体を至近距離で真正面に向けて、腰のうしろで手を組んで言う。

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