天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
第六章 麗しの医師の不器用な初恋
白い肌、大きな瞳、長い睫毛、すっと通った鼻筋に血色のいい唇、艶やかな黒髪。
黎士は物心ついた頃から褒められ続けているそれらを、誇らしく思ったことなど一度もない。忌々しいとすら感じていた。
五歳の頃、幼稚園に通っていた黎士は、自分に折り紙を教えてくれた先生に無垢な目を向けてこう言った。
「ありがとう、先生。僕、先生のこと、だぁいすき」
人の心を惑わす傾国の美貌、その片鱗が五歳のときすでに備わっていた。
数日後、先生は園庭の用具入れの中に彼を連れ込んだ。
「黎士くんのお顔……とっても綺麗ね……」
うっとりと浸るような目で幼き黎士の両頬に触れる。
「先生のこと、だぁいすきって言ってくれたよね……?」
そのまま顔を近づけられたので、本能的に恐ろしくなりその場を逃げ出した。
しかし、度々物陰に連れ込まれては体に触れられるようになったので、ある日、両親にその旨を訴えた。
それらの行為は園内の監視カメラにしっかりと映っていたようだ。しばらくすると、その先生は園からいなくなった。
次に恐ろしい目に遭ったのは中学生の頃。相手は家庭教師の大学生だった。