天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
そんなふうに見られていたのかと軽くショックを受ける。そう伝わってしまった自分の言葉の足りなさを反省した。

「きっかけとしてはそうなのかもしれないが。この先、好意を失うかと言えば別問題だ」

彼女が胡乱な目で黎士を観察している。他人への説明が苦手な黎士は、彼女に伝わるように必死に言語化を試みる。

「俺はすでに黒芭さんが好きだから、好きって言われれば嬉しい」

笑ってほしい、ひとり占めしたい、彼女のなにもかもを知りたいし、自分のことも知ってほしい。

もしもその願いが叶うなら、どこまでも彼女を愛し甘やかすと思う。

「絶対振ったりしない。一生大切にする」

「私、軽々しく一生とか言っちゃう男、嫌いです」

「じゃあ、一生だと証明する。結婚しよう」

「はァ!?」

交際の前にプロポーズの宣言をしてしまい、目を丸くされる。

そこからはもう歯止めが利かなくなった。ひたすらラブコールを送り続けた。

お互い忙しく頻繁に会うことは叶わなかったが、幾度かデートをして信頼を積み重ね、とうとう藍衣が黎士の家に遊びに来てくれた。

「せっかくだから夕食を食べていって。俺が作るから」

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