天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「え、や……そんなに反応されると、こっちも困るっていうか……。せっかくさりげなく呼んだのに」

藍衣の方も照れくさかったのか顔が真っ赤になっている。

そんな彼女がたまらず愛らしく、うしろからぎゅっと抱きすくめると、恋人であると認めた手前観念したのか、そっと黎士の腕に手を添えてハグを許してくれた。



それからというもの、藍衣は仕事終わりに黎士の家を訪れ、食事を作りながら帰りを待っていてくれるようになった。

自分は他人の人生を狂わせる、自分を愛した人間は破滅していく――そんな呪いめいたトラウマを抱えていた黎士だが、いつしか気にならなくなっていた。

彼女となら愛することも愛されることも怖くない。

恋人と呼べる関係になって三カ月が経つ頃。理性の限界を迎えた。

ソファに藍衣を押し倒し、キスをする。このまますべてを自分のものにしてしまいたかった。

「藍衣……愛してる」

「あっ、ま、待って! 黎士さん……!」

腕の中で身じろぐ彼女にいくつもキスを落とす。困っている顔も照れている顔も、ちょっとだけ嬉しそうに頬を赤くしているところも、なにもかもがたまらない。

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