天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
できることなら、その服を奪い取って隙間なく体を重ねたいが、さすがに意思を確認しないわけにもいかず、じっと彼女を見つめた。

「もっと愛したい。……ダメか?」

彼女の眉が、根負けしたように下がる。

彼女はおねだりに弱い。じっと見つめてお願いすると、最初は拒んでいても最終的には許してくれる。

だがこの日ばかりは勇気が必要だったようで、イエスとは言ってくれなかった。

「明日は難しい手術があるんですよね? 今夜はちゃんと休んでほしいので、続きは次のお休みのときに。……私も心の準備をしておきますから」

そう言っておずおずと小指を差し出してくる。

「約束」

驚いて目を丸くする。

お預けはされてしまったが、初心な彼女が精一杯の勇気と優しさで応えてくれたことが嬉しくて、小指を絡めて誓いを立てた。

自分となら体を重ねてもいい、そう思ってくれていると知れただけでも充分だ。

「わかった、今は我慢する。その代わり、言葉で教えてくれ」

藍衣の額にそっと唇を当てて、再びおねだりをする。

「藍衣は俺のこと、どう思ってる?」

不安げに覗き込むと、彼女はいっそう照れた顔をして、それでもきちんと答えてくれた。

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