天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
ノックもそこそこに部屋に押し入る。一葉はスマホを耳に当て「――はい。ええ。一刻も早く探してください」と真剣に返事をしていた。藍衣の件だろうか。
黎士に目を向けると、静かに首を横に振る。『藍衣はまだ見つかっていない』――そんなメッセージを受け、黎士は踵を返す。
「待って、滝沢くん」
引き留められ振り向くと、一葉はスマホの受話口を手で押さえながら声を張り上げた。
「君はまず一度自宅に戻って。藍衣が帰ってきているかもしれないから」
黎士は「了解」と短く返事をしてロイヤルフロアを出た。
その足で自宅に戻ってみたが、やはり藍衣の姿はなかった。コンシェルジュにもあらかじめ話を通しておいたが、姿を見ていないという。
(父親の会社の情報を洗い出して、伝手のある場所を探すか? ……いや、それは亜嵐たちがもうやっているだろう。それなら俺は、藍衣が身を隠している線で病院側の伝手を――)
そう考えを巡らせながら家を出ようとしたとき。
インターフォンが鳴り、黎士はまさかと玄関モニターの前に飛んでいった。
「藍衣……!」
黎士に目を向けると、静かに首を横に振る。『藍衣はまだ見つかっていない』――そんなメッセージを受け、黎士は踵を返す。
「待って、滝沢くん」
引き留められ振り向くと、一葉はスマホの受話口を手で押さえながら声を張り上げた。
「君はまず一度自宅に戻って。藍衣が帰ってきているかもしれないから」
黎士は「了解」と短く返事をしてロイヤルフロアを出た。
その足で自宅に戻ってみたが、やはり藍衣の姿はなかった。コンシェルジュにもあらかじめ話を通しておいたが、姿を見ていないという。
(父親の会社の情報を洗い出して、伝手のある場所を探すか? ……いや、それは亜嵐たちがもうやっているだろう。それなら俺は、藍衣が身を隠している線で病院側の伝手を――)
そう考えを巡らせながら家を出ようとしたとき。
インターフォンが鳴り、黎士はまさかと玄関モニターの前に飛んでいった。
「藍衣……!」