天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「責めてくれていいのよ。私は藍衣に酷いことをした。自分が助かるために、長い間藍衣を犠牲にしていたんだから。そもそも藍衣が記憶喪失になったのも私のせいよ。私を助けようとして怪我をしたんだもの。こんな私に助ける価値なんてないのに」

別邸で朱璃が藍衣に対してひたすら謝罪を繰り返した理由――激しい罪悪感の根底にあるものが理解できた。

朱璃は藍衣を犠牲にする傍ら、罪の意識で自己嫌悪に陥っていたのだ。

ソファに座っていた彼女が前屈みになり、胸を押さえる。

「それだけじゃない、藍衣に妬むようなことを言ってしまった。黎士さんのことも、あわよくば妹じゃなくて私を見てくれればいいって思ってた……。あなたに付きまとって、試すような真似をした……! ああ、藍衣……ごめんなさい、ごめんなさい……」

……精神的病というのも、あながち嘘ではなかったのかもしれない。彼女は間違いなく追い詰められていた。

呼吸が荒くなってきた朱璃の肩に手を置き「落ち着け」と冷静に呼びかける。

「……とんでもなく酷い姉だって、自分でもよく理解している……でも、だから今度こそ藍衣を助けたいの」

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