天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「ならば、買い手の方に手を引いてもらうほか、ありませんね」
黎士が口にすると、郷一郎は「なに……?」と苛立った声をあげた。
「先日亡くなられた黒芭貞平さんですが、遺体から不審な薬物が検出されました。現在、遺体は司法解剖に回されています」
これには驚いたのか、郷一郎は目を剥いた。
「バカな! 遺体はもう焼却されているはずだろう!」
「犯罪の疑いがあるため、火葬は延期されました。そもそも、藍衣やあなたが行方不明になって式どころじゃありませんでしたから」
ぐう、と唸りを上げる郷一郎を、黎士は真っ直ぐに見据えて問い詰める。
「黒芭さんが亡くなる直前、見舞いに訪れていたのはあなたですね? あなたなら点滴に薬物を混入することも可能だったのでは」
「は!? 証拠もないのにそれだけで私が犯人だと? 冗談じゃない」
「それだけじゃないわ」
そう声を上げたのは朱璃だ。郷一郎はぎょっとした顔で娘を睨む。
「お父さんの部屋にあったパソコンを見たら、証拠が残っていたの」
「なにを言っている! 私の部屋に入れるわけが――……! まさか、私のパソコンになにか仕込んだのか!? お前、またハッキングを!」
黎士が口にすると、郷一郎は「なに……?」と苛立った声をあげた。
「先日亡くなられた黒芭貞平さんですが、遺体から不審な薬物が検出されました。現在、遺体は司法解剖に回されています」
これには驚いたのか、郷一郎は目を剥いた。
「バカな! 遺体はもう焼却されているはずだろう!」
「犯罪の疑いがあるため、火葬は延期されました。そもそも、藍衣やあなたが行方不明になって式どころじゃありませんでしたから」
ぐう、と唸りを上げる郷一郎を、黎士は真っ直ぐに見据えて問い詰める。
「黒芭さんが亡くなる直前、見舞いに訪れていたのはあなたですね? あなたなら点滴に薬物を混入することも可能だったのでは」
「は!? 証拠もないのにそれだけで私が犯人だと? 冗談じゃない」
「それだけじゃないわ」
そう声を上げたのは朱璃だ。郷一郎はぎょっとした顔で娘を睨む。
「お父さんの部屋にあったパソコンを見たら、証拠が残っていたの」
「なにを言っている! 私の部屋に入れるわけが――……! まさか、私のパソコンになにか仕込んだのか!? お前、またハッキングを!」