天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
繋がれた手を、今度は自分の方に持っていく。

細く長く、でも藍衣よりも骨ばった大きな手を自身の口元に持っていって、真似をするみたいにキスした。

「人の命をたくさん救える、優しい手です」

感触を確かめるように目を閉じると、彼は「そっか」と短く呟いて、ふっと吐息を漏らした。

「ようやく自分が好きになれた気がする。藍衣のおかげだ」

「たくさん自分を愛してあげてください。私を愛すのと同じ分だけ」

ゆっくりと目を開けると、穏やかな笑みがそこにあった。

「藍衣が愛してくれる自分を、俺も自信を持って愛することにするよ」

手を繋いだまま目を閉じる。互いの温もりを感じたまま、もう一度眠りについた。




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