天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
黎士が藍衣の手を握る。きゅっと指先を絡めて、ふたりは仲良く黒芭家の墓をあとにした。
墓参りを経て、ふたりはようやく日常生活へ。藍衣はコンシェルジュとして誠心誠意患者のために尽くし、黎士は外科医として命を救うために腕を振るう。
とくに黎士は資産家たちの間で腕のいい外科医といっそう評判になり指名の嵐。専門の心臓に留まらず、あらゆる手術適応の患者が彼の腕を頼りにやってくる。
もともとジェネラリスト医師を目指していた彼にとってはありがたい状況だが、なにしろ休みが取れない。
さらに忙しくなる年末を前に日程を調整し、ようやく確保した三連休で、心待ちにしていた温泉旅行が実現した。
宿泊したのはとびきり豪華なヴィラリゾートだ。黎士の担当患者に、リゾート業界に顔が利く経営者がいて、その人物の伝手で特別に用意してもらえたのだ。
客室に足を踏み入れた瞬間、壁一面の窓から広がる景色に声をあげる。
「わ、すごい!」
壮大な山々と、その下には渓流が流れている。プライベートテラスに繋がる大窓を開けると、十二月の冷気とともに澄んだ緑の香りと川の流れる音が響いてきた。
「気に入った?」
「はい! とっても」
墓参りを経て、ふたりはようやく日常生活へ。藍衣はコンシェルジュとして誠心誠意患者のために尽くし、黎士は外科医として命を救うために腕を振るう。
とくに黎士は資産家たちの間で腕のいい外科医といっそう評判になり指名の嵐。専門の心臓に留まらず、あらゆる手術適応の患者が彼の腕を頼りにやってくる。
もともとジェネラリスト医師を目指していた彼にとってはありがたい状況だが、なにしろ休みが取れない。
さらに忙しくなる年末を前に日程を調整し、ようやく確保した三連休で、心待ちにしていた温泉旅行が実現した。
宿泊したのはとびきり豪華なヴィラリゾートだ。黎士の担当患者に、リゾート業界に顔が利く経営者がいて、その人物の伝手で特別に用意してもらえたのだ。
客室に足を踏み入れた瞬間、壁一面の窓から広がる景色に声をあげる。
「わ、すごい!」
壮大な山々と、その下には渓流が流れている。プライベートテラスに繋がる大窓を開けると、十二月の冷気とともに澄んだ緑の香りと川の流れる音が響いてきた。
「気に入った?」
「はい! とっても」