天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
黎士は藍衣の隣に立って、一緒に窓の外の景色を見ながら安堵の息をつく。

「あ、見てください。あっちのドアは露天風呂に繋がっていますよ」

「露天風呂付きのヴィラが押さえられて本当によかった。そこだけは妥協したくなかったんだ」

その言葉に藍衣はちらりと振り向き、黎士を覗き込む。探るような目を見て、彼は慌てて「いやらしい意味じゃないからな」と言い訳する。

「藍衣とふたりきりでのんびり温泉に浸かりたかった。そう思うのは、おかしいことじゃないだろ?」

そう言ってうしろから抱きついてくる。藍衣は「ひゃっ」と小さな声をあげてバランスを保つと、彼の腕に手を添えた。

「それ自体は納得ですけど。黎士さんが言う場合は審議ですね」

「約束するよ、エッチなことはベッド以外ではしない」

「ベッドではすると明言しているようなものです」

「するだろ」

そう言って藍衣の体をくるりと自分の方へ向けて、すかさずキスをする。

ちゅちゅっという音を鳴らしての甘えん坊な二連キスに、藍衣は仕方ないなあという顔で応じる。

「夕食、早めにしたんでしたっけ?」

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