天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「うん。食べたらゆっくり休んで、ゆっくり温泉に浸かろう。料理もすごいらしいから、期待してて」

ふんわりと笑う黎士。期待するもなにも、その麗しくもあどけない笑顔を見ているだけで充分、夢見心地なのだけれど。

「楽しみにしてます」

今は思う存分、贅沢をしよう。そう心に決めて彼の腕に飛びついた。




想像以上に豪華な夕食をいただいて、のんびりとくつろいだあと。ふたりはプライベートテラスの奥にある露天風呂に浸かった。

見ちゃだめですよ、と念を押して背中合わせに浸かる。

結局、黎士が耐え切れず、藍衣を背後から包むように抱きしめ、ふたりで岩場に腰を下ろす。

「ああ。藍衣ってなんてちっちゃくてかわいいんだろう」

エッチなことはしない、その約束は守ってくれているものの。

藍衣の腕を撫で上げてひたる彼は、苦労して手に入れた宝物を誰にも奪われないように大事に大事に抱え込んでいる子どものよう。純粋でその分、執着心が強く、愛情が果てしなく深く重い。

「私より綺麗な顔をした黎士さんにかわいいって言われるたびに、私は複雑な気分になってます」

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