天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「藍衣の方がずっと綺麗だ。俺はたぶん、男の中でちょっと肌が綺麗とか、顔が小さいとか、その程度で」

そう説明すると、ふいに藍衣の耳元に唇を寄せる。

「繊細な藍衣には敵わない」

藍衣の方までお腹の奥がぞくりと疼いて、いけないいけないと理性を取り戻す。

冷静になろうと、まったく関係のない話題を振ってごまかすことにする。

「明日はのんびり観光でしたっけ? あえて予定は詰め込まなかったって言ってましたよね」

「うん。毎日過酷なスケジュールをこなしてるから、こういうときくらいゆっくりさせてもらおうと思って」

ようやく溺愛モードを脱してくれた黎士に、藍衣はうんうんと頷く。

「午前中はあたりをのんびりと散策。午後からは、ちょっとしたサプライズを用意したから楽しみにしてて」

「サプライズ、ですか?」

「ああ。気に入ってくれると思う」

サプライズは初耳で、彼がなにを用意しているのか見当もつかない。ぐるぐる想像していると、不意に彼の腕が胸元に回り込んできて、思考が断たれる。

「時間の余裕はたっぷりあるから安心して。そろそろ部屋に戻ってのんびりしようか」

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