天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
潤んだ瞳、長い睫毛、切れ長の目に形のいい鼻筋、そして蠱惑的な色艶をした唇――性別を超越した美しさを前にあっさりと思考が停止する。

彼の微笑みには人の良識を鈍らせる不思議な力がある。

「――かしこまりました」

秘書は革製のライティングボードを取り出すと、書類を載せてペンを走らせた。契約書を作成し、ボードごと黎士の前に差し出す。

黎士は署名を済ませると、目を緩やかに細め、笑みを深める。

「よろしく頼みます」

黙々と手続きに走る秘書を見て、貞平は「それでいい」と緩慢に頷いた。





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