天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
はあ、とため息をついて窓の外を眺めた。庭の木々が外の景色を覆い隠している。東京の街並みは久しく見ていない。
黒芭藍衣、今年で二十八歳になる。医療福祉系の大学を卒業して社会福祉士などの資格を取得後、ホワイトローズ・メディカルセンターに就職。ロイヤルフロアでコンシェルジュとして働いていた。
あの頃の記憶は今もまだ鮮明に残っている。
制服は淡いグリーンのスーツ、首にはスカーフ。まるでCAのように知的で上品なデザインだった。
長めの髪はお団子にして、乱れないようにしっかりとピンで止めていた。あのときの凛とした立ち姿を、藍衣自身も気に入っていた。
それが今は……とドレッサーの前に立ち、再びため息をつく。
ゆったりとした淡い桃色のワンピースは検査着のよう。
一年もカラーリングしていない髪は真ん中から先が茶色く、根元が黒い。ふわふわして纏まりが悪く、下ろすとだらしなく見えてしまうため、常にひとつ結びにしている。
これといった特徴のない顔立ちは、メイクをすればそれなりに映えるけれど、素顔の今はどこかぼんやりとしていて、運動不足も相まって血色が悪い。
黒芭藍衣、今年で二十八歳になる。医療福祉系の大学を卒業して社会福祉士などの資格を取得後、ホワイトローズ・メディカルセンターに就職。ロイヤルフロアでコンシェルジュとして働いていた。
あの頃の記憶は今もまだ鮮明に残っている。
制服は淡いグリーンのスーツ、首にはスカーフ。まるでCAのように知的で上品なデザインだった。
長めの髪はお団子にして、乱れないようにしっかりとピンで止めていた。あのときの凛とした立ち姿を、藍衣自身も気に入っていた。
それが今は……とドレッサーの前に立ち、再びため息をつく。
ゆったりとした淡い桃色のワンピースは検査着のよう。
一年もカラーリングしていない髪は真ん中から先が茶色く、根元が黒い。ふわふわして纏まりが悪く、下ろすとだらしなく見えてしまうため、常にひとつ結びにしている。
これといった特徴のない顔立ちは、メイクをすればそれなりに映えるけれど、素顔の今はどこかぼんやりとしていて、運動不足も相まって血色が悪い。