天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「不可能な量ではありません。必ずやり切ってみせます」

黙々と植え付けをしていると、いつの間にか背後に立っていた医師の気配がなくなっていた。

ようやくどこかへ行ってくれたのかと安堵するも、十分くらいすると彼が戻ってきた。

その姿にぎょっとする。白衣は着ておらず、どこから調達したのかTシャツとカーゴパンツを穿いていた。

「どうしたんですか、その格好」

「仮眠用の服。さすがに白衣とスーツを汚すわけにいかないだろ」

そう淡々と答えると、ポケットからゴム手袋を取り出してはめた。いや、それ、手術用では……。

「な、なにやってるんですか!?」

「ふたりでやった方が多少は早く終わる。あ、お礼は例のジェラートに付き合ってくれればいい」

一方的に言い置いて、土を掘り始める。

「は? ジェラート??」

「覚えてないのか? 君って薄情だな。近くにジェラート屋ができたから一緒に行こうって、さんざん誘っただろ」

「ですから、どうして私を誘うんですか。ほかの看護師やコンシェルジュたちに鬼のように誘われてましたよね?」

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