天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
「いいからとっとと植えるぞ、日が落ちてきただろ」

「ですから、あとは私一人で――」

「強情だな。こっちは白でいいか?」

「あっ。もうちょっとバランスを……色がバラバラじゃありませんか」

「細かいなあ」

ぶつくさ言いながらも薔薇を植えつける。ふたりで作業をしたおかげか、二時間程度で立派な薔薇の花壇が出来上がった。

薔薇園――というには少々お粗末ではあるものの、窓の外に広がる花畑はそれなりに立派に見えるだろう。



◇◇◇✼••┈┈┈┈••✼◇◇◇



目を開けると、そこは部屋ではなく散歩道で、驚きから一気に目が覚めた。

(私、どこで寝て……!?)

体を起こすと、今しがた自分がもたれかかっていたモノが「ううん……」と呻き声をあげた。

(黎士さん! ……寝てる?)

ベンチの上で、お互い寄りかかるようにして眠っていたらしい。

手にはワッフルコーンに巻かれていた包み紙がまだ握られていた。食べてすぐ、眠りに落ちてしまったようだ。

(なんて警戒心のない……)

彼の方は藍衣を見守っているうちに一緒に眠ってしまった、そんなところだろう。

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