天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
頬が熱くなっていくのを感じる。マッサージで血行がよくなったのもあるが、恥ずかしさの方が勝っているだろう。

「藍衣の首、細いな」

珍しいものに触れるかのように指先が探り探り動く。それは本当にマッサージなのだろうか。遊ばれているような気もするのだが。

「黎士さんも充分細く見えますよ」

彼のすらりと伸びた首筋は美しい。そして顔が小さい。その恵まれたスタイルを見ていると、医師ではなくモデルや俳優の道を選んでいても成功していただろうなと思えてならない。

もちろん、転職されては困るのだが。

「そうかな。藍衣に比べたら全然太いと思うけど。触ってみるか?」

そう言って手を持ち上げられたので、緊張からぎくりと身を強張らせた。

ほら、と言って藍衣の指先を自身の首筋に押し当てる。

温かくてすべすべの白い肌。柔らかそうに見えていたが、実際に触ってみると確かに骨ばっていて、男の人の体だという感じがする。

というか、いったいなにを触らせてくるのかこの男は。いやらしい部分ではないが、それでも素肌を触れだなんて異常では、と真面目で貞淑な藍衣は思う。

「男らしいって、ちょっとはわかってもらえた?」

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