さようなら、お別れしましょう
 私はハリルににっこり微笑んだ。

「ハリル、木材を買ってきてくれますか? そうですね……。この手帳くらいの大きさにそろえて、木を切ってください」
「わかりました」

 町役場を出て、ハリルは木材を買いに行った。
 私は部屋へ戻る。
 そして、何枚もの白い紙に線を引いていると、ジェレンがお茶を持ってきてくれた。

「忙しいのはわかりますけど、レフィカ様に失礼すぎますわ!」
「ジェレン。他の方にもお茶をお願いします」
「レフィカ様があんな冷たい態度を取られたのに、お茶なんて出す気になれませんわ」
「私はドーヴハルク人ですし、最初から歓迎されるとは思っていません。話しかけてくれるだけ、王宮よりもまだ好意的なほうではないでしょうか?」

 ジェレンはグランツエルデ王宮での扱いを思い出し、口ごもった。

「それから、ジェレン。行列が落ち着いたら、待合室にもお茶をお出ししてください。待っている人にお茶を出して、くつろいでいただきます。それで少しはイライラが減るでしょう」
「構いませんけど、あの行列をどうにかできますの?」
「どうにかしたいと思ってます」

 説明している暇はなく、私が黙って線を引く作業を続けていると、ジェレンは諦めて部屋を出ていった。
 これで、他の人たちにもお茶が行き届くはずだ。
 何枚もの白い紙に表を作り終えたところで、ハリルが戻ってきた。
 ハリルが抱えた木のカゴには、手帳サイズの木の板がたくさん入っていた。

「レフィカ様、買ってきたよ!」
「木材を手帳の大きさに切ってもらえたんですね」
「うん。木材売りのおじさんが、手帳を見せたら切ってくれたんだ!」
「ハリル、ありがとう」

 木の板を受け取ると、その板に番号を彫っていく。
 文字を書けば早いけれど、書いた文字を誤魔化す人が出てくるかもしれないからだ。

「レフィカ様、この板に数字を彫ればいいってこと?」
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