さようなら、お別れしましょう
「ええ。そうです」
「なんの役に立つかわからないけど、おれもやるよ」

 私とハリルで数字を彫っていると、ジェレンが戻ってきた。

「レフィカ様。彼らはそんなに悪い人たちではないようです。お茶のお礼を言われました」
「そうでしょうね。では、お昼前にあの行列をなくして、休憩を取れるようにしましょう」
「レフィカ様? 数字が入った札で、なにをされるんですか?」

 ジェレンが不思議そうな顔をした。
 私が部屋から出ると、町役場の人たちが驚いた顔をした。 

「あ、あの……王妃様……」
「お茶をありがとうございました」
「同じ場所で働く仲間ですから、私のことは王妃でなく、名前で呼んでください」
「へ? そ、そ、そんな恐れ多い……!」
「みなさん、よろしくお願いしますね! 町の相談役として頑張ります!」

 嬉々とした顔で言うと、暗い表情をされた。

「そんな楽しい仕事ではないと思います」
「毎日、手続きにやってくる人たちの列を管理したり、文句を言われたり……」
「そのうち、嫌になりますよ」

 暗い顔した役場の人たちに、私は木の札と表を見せた。

「まずは、この混雑をどうにかしましょう」
「木と紙?」
「この行列をなんとかできるんですか?」

 ベルクヴァイン公爵家の人材は限られている。
 屋敷内のことを最低限にし、町のほうへ人をやっていても、この有り様である。

「人は増やせませんが、手間は減らせます。列の整理にかかる手間を減らし、その分、他の仕事ができるようにしましょう!」

 木の札を手に、にっこり微笑んだ。

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