さようなら、お別れしましょう
27 助け
 イーザック様とメリアが去った後、令嬢たちは面倒事に巻き込まれたくないからか、そそくさと帰っていった。
 ゼリヤにいろいろ聞きたいことはあったけれど、先に王宮前で待たされているジェレンを迎えに行く。
 ジェレンはずっと王宮前に立たされたまま、不安げな顔をして待っていた。

「ジェレン!」

「レフィカ様、ご無事でよかった!」

 私の姿を見た途端、ジェレンはホッとしたのか、険しい表情をやわらげ、泣きそうになっていた。

「ゼリヤさんがいらっしゃって、レフィカ様のことをお任せいたしましたが、不安で……」
「ジェレン、心配かけてごめんなさい」
「いえ……。こんな仕打ちを受けるとは、思いませんでしたから……」

 私とジェレンが馬車から降り、王宮の入り口に到着したなり、兵士に阻まれた。
 もちろん、メリアからなにか嫌がらせを受けるだろうと思って覚悟していた。
 けれど、まさか王宮の入り口で、『レフィカ様だけお入りください』と言われ、侍女すら伴うことを許されないとは思わなかった。
 私とジェレンが、そんな扱いを受けたと知ったゼリヤは、兵士たちに憤慨した。

「仮にも正妃の侍女を王宮前に待たせるなんてとんでもない!」

 ゼリヤがじろりと兵士たちをにらみつけると、びくっと体を震わせた。
 兵士たちはゼリヤと知り合いらしく、言い訳を始めた。

「ゼリヤさん。怒らないでください。俺たちは仕事をしてるだけなんです」
「上からの命令で、レフィカ様だけを通すよう命じられていました」
「命じた者は?」

 ゼリヤの低い声に、兵士たちは背筋を伸ばした。

「メリア妃だと聞いております」

 ――やっぱり、メリア。

 私の味方を一人もいない状況にさせて、孤立させるつもりでいたのだろう。
 聞かなくても誰もがわかっていたことだったけれど、あえてゼリヤは尋ねたのだ。

「このような真似は我が国の恥です。ジグルズ様が聞いたら、なんとおっしゃるか!」
「おかしいと思ったんですよ……」
「だよなぁ……」
「おかしいと思ったら、まず陛下にお伝えしなさい! それでも、同じことをおっしゃられたなら、私からジグルズ様に報告します!」

 ゼリヤに逆らえないのか、兵士たちは首をこくこくと縦に振る。
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