さようなら、お別れしましょう
哀れな王女たち。
【契約】を刻まれた王女は、常に死の恐怖に怯えて暮らさねばならない。
「イーザック様? 今、なんておっしゃいましたの?」
「メリアが知る必要のないことだ」
「でも……今、なにか……」
「お前は血生臭い話を聞かなくていい」
そう言ったが、メリアは知りたそうな顔で、こちらを覗き込んでいた。
だが、俺は【契約】のことを詳しくメリアに教える気はなかった。
妃は政治に関わらず、おとなしく控えめなのが一番だ。
その点、レフィカは面倒な妃だった――
『陛下。孤児院からお礼の手紙が届いております。レフィカ様がベットカバーを孤児院に寄付されたそうです』
『庭師がレフィカ様と庭仕事をしたと、自慢しておりました』
『レフィカ様は掃除係の侍女にまでお礼を言ったとか』
そんな声が多数あった。
最初は敵国ドーヴハルク王国から嫁いだとあって、王宮の使用人たちは警戒していた。
だが、気がつけば王妃としての評判は悪くなかった。
しかし、その評判の良さが、逆に迷惑だった。
メリアを妃にするタイミングが、なかなかなく、予定より遅れたからだ。
結婚式が終わったら、すぐにでもメリアを迎えるつもりでいたが、一年もかかってしまった。
――勝手なことを。
レフィカは俺の気を引こうと、余計なことばかりしていた。
その点、メリアは控え目で従順な――
「イーザック様。わたくし、お茶会を開きますわ」
「は? お茶会?」
なぜ、お茶会を開く必要があるのかわからず、聞き返した。
「ええ! お茶会です! 王宮主催のお茶会を開いて、わたくしが妃になったご報告をするつもりですの」
「……なるほど」
特に必要だと思えなかったが、メリアがやりたいというのなら仕方がない。
「レフィカ様をわたくしのお茶会に招待してもよろしいでしょうか?」
【契約】を刻まれた王女は、常に死の恐怖に怯えて暮らさねばならない。
「イーザック様? 今、なんておっしゃいましたの?」
「メリアが知る必要のないことだ」
「でも……今、なにか……」
「お前は血生臭い話を聞かなくていい」
そう言ったが、メリアは知りたそうな顔で、こちらを覗き込んでいた。
だが、俺は【契約】のことを詳しくメリアに教える気はなかった。
妃は政治に関わらず、おとなしく控えめなのが一番だ。
その点、レフィカは面倒な妃だった――
『陛下。孤児院からお礼の手紙が届いております。レフィカ様がベットカバーを孤児院に寄付されたそうです』
『庭師がレフィカ様と庭仕事をしたと、自慢しておりました』
『レフィカ様は掃除係の侍女にまでお礼を言ったとか』
そんな声が多数あった。
最初は敵国ドーヴハルク王国から嫁いだとあって、王宮の使用人たちは警戒していた。
だが、気がつけば王妃としての評判は悪くなかった。
しかし、その評判の良さが、逆に迷惑だった。
メリアを妃にするタイミングが、なかなかなく、予定より遅れたからだ。
結婚式が終わったら、すぐにでもメリアを迎えるつもりでいたが、一年もかかってしまった。
――勝手なことを。
レフィカは俺の気を引こうと、余計なことばかりしていた。
その点、メリアは控え目で従順な――
「イーザック様。わたくし、お茶会を開きますわ」
「は? お茶会?」
なぜ、お茶会を開く必要があるのかわからず、聞き返した。
「ええ! お茶会です! 王宮主催のお茶会を開いて、わたくしが妃になったご報告をするつもりですの」
「……なるほど」
特に必要だと思えなかったが、メリアがやりたいというのなら仕方がない。
「レフィカ様をわたくしのお茶会に招待してもよろしいでしょうか?」