さようなら、お別れしましょう
37 この町で過ごす最後の日(2)
南方のリュザール王国から、大切なお客様がやってくるとあって、運河の船から、花火がたくさん打ち上げられた。
運河の水面に花火の光がきらめく。
生まれて初めて見た花火は、ジグルズ様と一緒に歩きながら、運河沿いの道から眺めた。
花火はドンッと大きな音を立て、一瞬で大きな花の形を作り、夜の闇にすうっと溶けていく。
「とても綺麗ですね」
「花火を見せると約束したからな」
以前、ジグルズ様は私に『それなら、今度、大きな花火を打ち上げよう』と言っていたのを思い出した。
なにげない会話の中で出たもので、約束と呼べるほどのものではなかった。
――覚えていてくださったなんて……
私がシャルク・ホジャの夜を過ごせるのは、これで最後だから、花火を見せてくれたのかもしれない。
明日、この時間には、もう私はここにいないのだと実感してしまい、お礼を言いたいのに、うまく言葉が出てこなかった。
船着き場まで歩き、リュザール王国からのお客様を出迎えたら、シャルク・ホジャの夜が終わる。
私とジグルズ様、少し離れて護衛たちがついてくる。
今ごろ、イーザック様もお屋敷から、花火を見ているだろうか。
一緒に行きたそうな顔をしていたのに、結局、意地を張って来なかった。
リュザール王国は南方の国々の一つで、グランツエルデ王国と同じくらい長い歴史を持つ国らしい。
運河の水面に花火の光がきらめく。
生まれて初めて見た花火は、ジグルズ様と一緒に歩きながら、運河沿いの道から眺めた。
花火はドンッと大きな音を立て、一瞬で大きな花の形を作り、夜の闇にすうっと溶けていく。
「とても綺麗ですね」
「花火を見せると約束したからな」
以前、ジグルズ様は私に『それなら、今度、大きな花火を打ち上げよう』と言っていたのを思い出した。
なにげない会話の中で出たもので、約束と呼べるほどのものではなかった。
――覚えていてくださったなんて……
私がシャルク・ホジャの夜を過ごせるのは、これで最後だから、花火を見せてくれたのかもしれない。
明日、この時間には、もう私はここにいないのだと実感してしまい、お礼を言いたいのに、うまく言葉が出てこなかった。
船着き場まで歩き、リュザール王国からのお客様を出迎えたら、シャルク・ホジャの夜が終わる。
私とジグルズ様、少し離れて護衛たちがついてくる。
今ごろ、イーザック様もお屋敷から、花火を見ているだろうか。
一緒に行きたそうな顔をしていたのに、結局、意地を張って来なかった。
リュザール王国は南方の国々の一つで、グランツエルデ王国と同じくらい長い歴史を持つ国らしい。