さようなら、お別れしましょう
病気でもなく、事故でもない。
ようやく、その理由がわかった気がする。
王の力の犠牲となって死んだのだ。
――兄上がドーヴハルク王の【契約】に反対するはずだ。
兄上は王の力を自分で終わりにするつもりだ。
だから、兄上は王にはならない。
継承しないという方法で、力を捨てる。
全部、兄上は自分一人で抱え込み、俺になにも明かさず、終わらせるつもりだったのだ。
「陛下? ぼんやりされてどうされました?」
「お加減が悪いのでは?」
俺の前に大臣たちの心配顔が並んでいた。
「いや……。至って俺は健康だ。兄上のところへ行っていたのは、妻がいたからだ」
「は? 妻……?」
「兄上のところには、レフィカがいる。俺の妻だ」
「いや、しかし……陛下にはメリア妃がいるではありませんか」
「昔から恋人だったメリア妃を一途に想っていらしたのでは?」
メリアが暗殺者を雇ったという証拠は、まだ手に入れていない。
メリアを捕まえるためには、レフィカの命を狙ったという証拠がいる。
「……妻が二人いても問題ないだろう」
「陛下が不良になられた!?」
「ジグルズ様のところで、いったいなにが?」
「し、しかし、陛下が気に入る女性がいるのは、我々としても喜ばしい限り! 早くレフィカ妃を呼び戻さねば!」
大喜びする大臣たちに、俺は複雑な気持ちだった。
――レフィカの愛は俺にない。
それを知っているからだ。
そして、メリアはいずれ処罰される身。
「呼び戻すのは、俺の仕事だ。お前たちは余計なことをするな」
「陛下、失礼しました。夫が戻ってこいと言ったほうが、妻は嬉しいでしょうしな」
「レフィカ妃はさぞやお喜びになるでしょう」
「それは、どうだろうな」
俺はレフィカが喜ばないとわかっている。
気づくのが遅すぎた。
ようやく、その理由がわかった気がする。
王の力の犠牲となって死んだのだ。
――兄上がドーヴハルク王の【契約】に反対するはずだ。
兄上は王の力を自分で終わりにするつもりだ。
だから、兄上は王にはならない。
継承しないという方法で、力を捨てる。
全部、兄上は自分一人で抱え込み、俺になにも明かさず、終わらせるつもりだったのだ。
「陛下? ぼんやりされてどうされました?」
「お加減が悪いのでは?」
俺の前に大臣たちの心配顔が並んでいた。
「いや……。至って俺は健康だ。兄上のところへ行っていたのは、妻がいたからだ」
「は? 妻……?」
「兄上のところには、レフィカがいる。俺の妻だ」
「いや、しかし……陛下にはメリア妃がいるではありませんか」
「昔から恋人だったメリア妃を一途に想っていらしたのでは?」
メリアが暗殺者を雇ったという証拠は、まだ手に入れていない。
メリアを捕まえるためには、レフィカの命を狙ったという証拠がいる。
「……妻が二人いても問題ないだろう」
「陛下が不良になられた!?」
「ジグルズ様のところで、いったいなにが?」
「し、しかし、陛下が気に入る女性がいるのは、我々としても喜ばしい限り! 早くレフィカ妃を呼び戻さねば!」
大喜びする大臣たちに、俺は複雑な気持ちだった。
――レフィカの愛は俺にない。
それを知っているからだ。
そして、メリアはいずれ処罰される身。
「呼び戻すのは、俺の仕事だ。お前たちは余計なことをするな」
「陛下、失礼しました。夫が戻ってこいと言ったほうが、妻は嬉しいでしょうしな」
「レフィカ妃はさぞやお喜びになるでしょう」
「それは、どうだろうな」
俺はレフィカが喜ばないとわかっている。
気づくのが遅すぎた。