さようなら、お別れしましょう
44 再会を願って(1)
 リュザール王国――大陸の南に位置し、砂漠と険しい山岳がある厳しい土地だ。
 その土地で育った人々は、砂漠や山岳地での行動に慣れており、他国がリュザール王国を侵略するのは難しいという。
 人が暮らすには不向きな山岳地や砂漠の地に、水を引き、緑を増やしたのが、リュザール一族である。
 リュザール一族は古い砂漠の民で、水の青を聖なる色としており、青い布や宝石をお守りに服の一部に身につけているのが特徴だ。
 そのため、シャルク・ホジャでもリュザールの民はすぐに見分けることができた。
 シャルク・ホジャからリュザール王国の都までは船を使う。
 運河から海を目指し、海路からリュザール王国の港に入り、さらに港から馬車で、整備された道を移動をする。
 整備される前はラクダで移動していたらしい。
 リュザール王国は砂漠ばかりなのかと思っていたけれど、山岳地もあるし、緑も多く想像と違っていた。
 
「ジグルズ様。リュザール王国は緑豊かな国なんですね。意外でした」
「山岳地帯では茶葉の生産に力を入れている。それから、港のほうは漁業が盛んだ。果物もうまい。リュザール王家が長年、井戸やため池を推奨し、緑化に取り組んだ結果だ」
「香炉や織物も素敵ですね。ドーヴハルク王国では見たことがありませんでした」

 ジグルズ様は王宮がある王都へ向かう前に、船が着いた港町の市場に寄ってくれた。
 カラフルな魚、スパイスが山積みになった計り売り店、羊肉を焼いている屋台、薄いパンを重ねて売っている店などが並んでいる。

「おや、珍しい! 銀髪の女性だよ」
「ドーヴハルク王国から来たのかい? この国にドーヴハルク王国の王女様が嫁いできたんだけどねぇ」
「残念なことに、お妃様は病気で亡くなってしまってね」
「気候が違いすぎたのかも……」

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