さようなら、お別れしましょう
45 再会を願って(2)

「レフィカ。元気そうで安心したわ」

 イレーネお姉様は顔を隠す布をとり、私に噴水のそばに来て座るよう合図をする。
 他の女性たちは、イレーネお姉様にお辞儀をして去っていった。
 王妃でなくなっても、後宮の女性たちはイレーネお姉様に気遣っているように見えた。

「イレーネお姉様、私……」
「レフィカ。よく頑張ったわね。ここまでたどり着くなんて思わなかったわ。私では、できなかったでしょう。あなたは私の自慢の妹よ」

 その言葉に気が緩み、涙がこぼれた。
 イレーネお姉様は私を抱き締め、背中を撫でてくれた。
 ドーヴハルク王国とは違う異国の香りがして、あの頃の何一つ自由にならなかった私たちではないと気づき、涙をぬぐった。

「イレーネお姉様に聞きたいことがたくさんあるんです」
「ええ。カリム様から話は聞いているわ」 

 中庭には風に乗って飛んできた砂漠の砂が積もり、その砂へイレーネお姉様は視線を落とした。
 イレーネお姉様は私の手を取ると、噴水のふちに座らせた。
 
「こうして、イレーネお姉様と並んで座ると、ドーヴハルク王国の後宮で、こっそり草原を眺めていたのを思い出します」
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