さようなら、お別れしましょう
グランツエルデ王国にドーヴハルク王国と同盟を結ばせ、王女を妃にし、子をもうけることが、父の目的である。
蛮族、野蛮人などとドーヴハルク人を呼び、蔑んできた国を奪うこと。
私がグランツエルデ王国に嫁いだことで、父の目的はほとんど達成された。
たったひとつを除いては。
「レフィカ。お父様はグランツエルデ王とあなたの子を望んでいるでしょう」
――私とイーザック様の子供。
それが目的なのはわかっていた。
お父様には報告せずにいたけれど、もう私が王宮を追い出されたことを知ったはず。
「レフィカがジグルズ様の元にいると知ったら、お父様が黙っているとは思えないわ」
「わかっています……。お父様はイーザック様の元へ戻るよう命じるはずです」
「グランツエルデ王国側に、必ず、なにか仕掛けるだろうと、カリム様が危惧されているの」
――カリム様? ここでリュザール王ではなく、カリム様なの?
そういえば、カリム様はイレーネお姉様を『イレーネ』と親しげに呼んでいた。
カリム様のイレーネお姉様への態度はまるで――
「イレーネお姉様? こんな時に聞くことではないかもしれませんけど、もしかしてイレーネお姉様はカリム様と親しいのですか?」
「えっ!? そ、そうなの。親しいというか……」
イレーネお姉様は冷静さを失い、突然、焦り出した。
「カリム様は末の王子なのよ」
「知ってます」
「そ、そう!? とても優秀な方なのだけど、今はリュザール王国の地方で、長官を務めているの」
イレーネお姉様にしては、歯切れの悪い説明に首をかしげた。
「私は死んだことになっているから、カリム様は私を隠すため、地方の閑職を選んでくださったのよ」
そこまで聞いて、私はやっとわかった。
イレーネお姉様は家族を持てたのだと。
「イレーネお姉様。おめでとうございます」
蛮族、野蛮人などとドーヴハルク人を呼び、蔑んできた国を奪うこと。
私がグランツエルデ王国に嫁いだことで、父の目的はほとんど達成された。
たったひとつを除いては。
「レフィカ。お父様はグランツエルデ王とあなたの子を望んでいるでしょう」
――私とイーザック様の子供。
それが目的なのはわかっていた。
お父様には報告せずにいたけれど、もう私が王宮を追い出されたことを知ったはず。
「レフィカがジグルズ様の元にいると知ったら、お父様が黙っているとは思えないわ」
「わかっています……。お父様はイーザック様の元へ戻るよう命じるはずです」
「グランツエルデ王国側に、必ず、なにか仕掛けるだろうと、カリム様が危惧されているの」
――カリム様? ここでリュザール王ではなく、カリム様なの?
そういえば、カリム様はイレーネお姉様を『イレーネ』と親しげに呼んでいた。
カリム様のイレーネお姉様への態度はまるで――
「イレーネお姉様? こんな時に聞くことではないかもしれませんけど、もしかしてイレーネお姉様はカリム様と親しいのですか?」
「えっ!? そ、そうなの。親しいというか……」
イレーネお姉様は冷静さを失い、突然、焦り出した。
「カリム様は末の王子なのよ」
「知ってます」
「そ、そう!? とても優秀な方なのだけど、今はリュザール王国の地方で、長官を務めているの」
イレーネお姉様にしては、歯切れの悪い説明に首をかしげた。
「私は死んだことになっているから、カリム様は私を隠すため、地方の閑職を選んでくださったのよ」
そこまで聞いて、私はやっとわかった。
イレーネお姉様は家族を持てたのだと。
「イレーネお姉様。おめでとうございます」