さようなら、お別れしましょう
47 共に過ごせる時間は
――終わった。
期待しないでおこうと決めていたのに、【契約】を無効にできる方法がわからず、落胆している自分がいた。
私はリュザール王国で、イレーネお姉様に会えば、なんとかなると、王の力を甘く見ていたのかもしれない。
わかったのは、イレーネお姉様と私の状況は違うということ。
イーザック様と私は、同盟のための政略結婚である。
リュザール王は最初から、王女を助けるのを目的に結婚した。
「むごいことを。イレーネの妹にも【契約】を刻んだか。ドーヴハルク王はいつになったら、古い力を捨てるのだろうな……」
リュザール王は顔に憂いの色を浮かべて、ため息をつき、複雑な模様の刺繍が入ったクッションにもたれかかった。
床に座る文化らしく、絨毯の上に刺繍入りのクッションが並べられている。
晩餐会ではグランツエルデ王国風の椅子に座って食事をしたけれど、身内だけだと、床に座り歓談しながら、食事をするのだという。
今いる部屋は、家族でくつろぐ居間となる場所で、晩餐会が終わった後、ここへ案内された。
アーチ状の窓が開け放たれ、バルコニーから夜の砂漠が見えた。
オアシスの湖が星空を映し、幻想的な風景が広がっている。
「イレーネと同じ綺麗な銀髪ね」
「私たちは焦げ茶色とか、黒が多いのよ」