さようなら、お別れしましょう
 リュザール王が去り、私とジグルズ様だけになった。
 思えば、私とジグルズ様が二人きりだったことは、そんな多くない。
 
「まいったな。リュザール王は気を利かせたつもりかもしれないが、あの時とは違うからな……」
「あの時?」
「レフィカが俺と二人きりになりたいと誘ってきた時だ」
「あれは、誘ったわけでは……!」

 ジグルズ様が珍しく、困ったような顔をして笑った。
 あの時は余裕があったジグルズ様。
 でも、今は違う――それは私も同じ。

「だが、せっかくだ。レフィカ、少し昔話をしよう」
「昔話ですか?」
「なぜ、俺が妻を迎えなかったか。そして、俺の目が赤く染まる理由をレフィカに知っておいてもらいたい」

 琥珀色の瞳が赤く染まっていく。

「この瞳はグランツエルデ王の王の力。俺の母が父に殺された証拠だ」

 ――ジグルズ様のお母様が、王の力の犠牲になった……

 赤い瞳がまるで血の色に見えた。

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