さようなら、お別れしましょう
レフィカはドーヴハルク王に即答した。
「王妃ではなくなりましたが、私は公爵補佐官です。噂で私が働いていると聞きましたよね?」
「そう。レフィカは俺に雇われている」
「グランツエルデ王家からお金をいただいていましたし、その分、働いて返さなくてはいけません」
ドーヴハルク王は怒り、娘を罵るかと思っていたが、それはなく、あっさり引いた。
「ふん。勝手にしろ。役に立たん娘などどうでもいい」
「お父様」
レフィカが背中を向け、去ろうとしたドーヴハルク王を呼び止めた。
「私はずっと王の力は消えないものだと思っていました」
肩越しに振り返り、鋭い目でレフィカを見る。
だが、自由になったレフィカが、ドーヴハルク王に怯むことはなかった。
「いつか、ドーヴハルク王家にも犠牲を終わりにしたいと考える王子が現れるでしょう。ジグルズ様のように」
「あり得んな」
「可能性はゼロではありません」
左胸に手をおき、レフィカは微笑む。
「お父様。嫁ぎ先を選び、生き延びる可能性を与えてくださって、ありがとうございました」
「……選んでいない。お前の勘違いだ!」
ドーヴハルク王は怒鳴り、顔を背けると、護衛を引き連れて歩き出した。
それ以上、レフィカに核心を突かれたくなかったのか、逃げたように見えた。
レフィカはそんな父親の背中に、深々とお辞儀をして見送った。
「陛下」
国王補佐官が俺を呼んだ。
「リュザール王国の使者が訪れ、陛下にお会いたいと申しております。いかがされますか?」
「会おう。これから、リュザール王国は重要な国になるだろうからな」
そう言った俺を見て、兄上が微笑み、黙って見守っていた。
レフィカが選んだ相手が兄上でよかったと心から思う。
兄上なら、間違いなくレフィカを幸せにしてくれる。
「レフィカ」
「はい」
妻として、愛する人として、君に最後の言葉を告げる。
「さようなら。レフィカ、これでお別れだ」
静かにお辞儀をしたレフィカに、俺は微笑み、国王補佐官と共に去る。
騎士たちと国王補佐官を従え、長い廊下を歩く。
歴代の王が歩いたであろう場所を――
「王妃ではなくなりましたが、私は公爵補佐官です。噂で私が働いていると聞きましたよね?」
「そう。レフィカは俺に雇われている」
「グランツエルデ王家からお金をいただいていましたし、その分、働いて返さなくてはいけません」
ドーヴハルク王は怒り、娘を罵るかと思っていたが、それはなく、あっさり引いた。
「ふん。勝手にしろ。役に立たん娘などどうでもいい」
「お父様」
レフィカが背中を向け、去ろうとしたドーヴハルク王を呼び止めた。
「私はずっと王の力は消えないものだと思っていました」
肩越しに振り返り、鋭い目でレフィカを見る。
だが、自由になったレフィカが、ドーヴハルク王に怯むことはなかった。
「いつか、ドーヴハルク王家にも犠牲を終わりにしたいと考える王子が現れるでしょう。ジグルズ様のように」
「あり得んな」
「可能性はゼロではありません」
左胸に手をおき、レフィカは微笑む。
「お父様。嫁ぎ先を選び、生き延びる可能性を与えてくださって、ありがとうございました」
「……選んでいない。お前の勘違いだ!」
ドーヴハルク王は怒鳴り、顔を背けると、護衛を引き連れて歩き出した。
それ以上、レフィカに核心を突かれたくなかったのか、逃げたように見えた。
レフィカはそんな父親の背中に、深々とお辞儀をして見送った。
「陛下」
国王補佐官が俺を呼んだ。
「リュザール王国の使者が訪れ、陛下にお会いたいと申しております。いかがされますか?」
「会おう。これから、リュザール王国は重要な国になるだろうからな」
そう言った俺を見て、兄上が微笑み、黙って見守っていた。
レフィカが選んだ相手が兄上でよかったと心から思う。
兄上なら、間違いなくレフィカを幸せにしてくれる。
「レフィカ」
「はい」
妻として、愛する人として、君に最後の言葉を告げる。
「さようなら。レフィカ、これでお別れだ」
静かにお辞儀をしたレフィカに、俺は微笑み、国王補佐官と共に去る。
騎士たちと国王補佐官を従え、長い廊下を歩く。
歴代の王が歩いたであろう場所を――