さようなら、お別れしましょう
けれど、もう私を憎しむ必要はない。
妻として、愛されなかった私は、王宮から去って形だけの妃となるのだから。
「ジェレン。荷物は片付いたかしら?」
「はい……。侍女たちの荷物も馬車に積み終わりました」
新しい住まいは王宮の外にあるお屋敷だ。
「レフィカ様。手紙はどうなさいますか?」
私よりも悲しげな顔をした侍女が、私に尋ねた。
「……このまま、ここに残していきましょう。私が勝手に持っていっていいものではありませんから」
私が送った手紙は、イーザック様のものだ。
私のものではない。
煮ようが焼こうが、それはイーザック様が決めることだ。
「では、行きましょうか」
私と侍女が部屋を出ようとすると、ベルタが呼び止めた。
「レフィカ様! あなたは夫を奪われたのですよ? 正妃なのに、王宮を追い出されて悔しくないのですか? 悔しいと言ったらどうですかっ!」
「王宮を追い出されましたが、代わりにお屋敷をいただきました」
それも、立派なお屋敷である。
ありがたいことに、町が近く、でかけるのに、とっても便利だ。
王妃という立場上、どこへ行くにも許可や厳重な警護が必要で、外出なんてできなかった。かった。
――もうワクワクしかないですよ!
「イーザック様には、私と侍女が暮らせる場所を用意していただき、とても感謝しております」
『生活費も』とお礼を言いかけてやめた。
ベルタがイライラしているのが、わかったからだ。
「陛下が一番愛されている女性はメリア様ですわ! それをお忘れなきよう! いずれ、正妃になるのはメリア様ですからっ!」
――メリアの最終的な望みは、正妃になることなの?
私だけでなく、ジェレンや他の侍女たちは驚き、一斉にベルタを見た。
なぜなら【契約】が一つでも破られたら、王女がどうなるか、全員知っているからだ。
妻として、愛されなかった私は、王宮から去って形だけの妃となるのだから。
「ジェレン。荷物は片付いたかしら?」
「はい……。侍女たちの荷物も馬車に積み終わりました」
新しい住まいは王宮の外にあるお屋敷だ。
「レフィカ様。手紙はどうなさいますか?」
私よりも悲しげな顔をした侍女が、私に尋ねた。
「……このまま、ここに残していきましょう。私が勝手に持っていっていいものではありませんから」
私が送った手紙は、イーザック様のものだ。
私のものではない。
煮ようが焼こうが、それはイーザック様が決めることだ。
「では、行きましょうか」
私と侍女が部屋を出ようとすると、ベルタが呼び止めた。
「レフィカ様! あなたは夫を奪われたのですよ? 正妃なのに、王宮を追い出されて悔しくないのですか? 悔しいと言ったらどうですかっ!」
「王宮を追い出されましたが、代わりにお屋敷をいただきました」
それも、立派なお屋敷である。
ありがたいことに、町が近く、でかけるのに、とっても便利だ。
王妃という立場上、どこへ行くにも許可や厳重な警護が必要で、外出なんてできなかった。かった。
――もうワクワクしかないですよ!
「イーザック様には、私と侍女が暮らせる場所を用意していただき、とても感謝しております」
『生活費も』とお礼を言いかけてやめた。
ベルタがイライラしているのが、わかったからだ。
「陛下が一番愛されている女性はメリア様ですわ! それをお忘れなきよう! いずれ、正妃になるのはメリア様ですからっ!」
――メリアの最終的な望みは、正妃になることなの?
私だけでなく、ジェレンや他の侍女たちは驚き、一斉にベルタを見た。
なぜなら【契約】が一つでも破られたら、王女がどうなるか、全員知っているからだ。