さようなら、お別れしましょう
「ゼリヤ。イレーネお姉様は嫁いだ後、元気でいましたか? 泣いたり辛かったり、しませんでしたか?」
私の口から、イレーネお姉様の名前を聞いたゼリヤは、厳しい表情を和らげた。
「イレーネ王女は聡明な方でしたね」
私とイレーネお姉様が、親しかったことをゼリヤは知っている。
「年の離れた王の後妻として嫁がれましたが、亡くなられた前妻を弔うなどして、お子様方にも大変評判がよろしかったですよ」
イレーネお姉様が死んだなんて、やはり嘘だ。
ゼリヤは『イレーネお姉様が死んだ』とは言わず、笑顔で答え、嫁ぎ先でもうまくやっていたと言った。
ならば、なおさら逃げる理由がない。
そして、イレーネお姉様が死んだという空気は、ゼリヤからいっさい感じられなかった。
「そうですか。ありがとうございます」
「ゼリヤ。気をつけろ。レフィカは察しがいい」
ゼリヤは微笑んで、ジグルズ様に頭を下げた。
私ならわかるだろうと思って、ゼリヤは私に教えてくれたのだ。
イレーネお姉様は生きていて、元気でいると。
――イレーネお姉様は生きている!
私に希望が生まれた。
私とイレーネお姉様が親しかったと、後宮に出入りしていたゼリヤは知っている。
でも、ジグルズ様は知らない。
イレーネお姉様の身の安全を考えたら、警戒されて当たり前だ。
――もっと情報が欲しい。でも、そのためにはゼリヤの主であるジグルズ様の信頼が必要だわ。
「……ジグルズ様。先ほどのお話ですけど」
「うん?」
「町の運営を手伝うという話です」
「ああ。そういえば、そんなことを言ったな」
「よろしければ、私に町の運営を手伝わせていただけませんか?」
ジグルズ様は少しだけ困った顔をした。
「こちらとしては助かるが、イーザックは面白く思わないだろう」
私の口から、イレーネお姉様の名前を聞いたゼリヤは、厳しい表情を和らげた。
「イレーネ王女は聡明な方でしたね」
私とイレーネお姉様が、親しかったことをゼリヤは知っている。
「年の離れた王の後妻として嫁がれましたが、亡くなられた前妻を弔うなどして、お子様方にも大変評判がよろしかったですよ」
イレーネお姉様が死んだなんて、やはり嘘だ。
ゼリヤは『イレーネお姉様が死んだ』とは言わず、笑顔で答え、嫁ぎ先でもうまくやっていたと言った。
ならば、なおさら逃げる理由がない。
そして、イレーネお姉様が死んだという空気は、ゼリヤからいっさい感じられなかった。
「そうですか。ありがとうございます」
「ゼリヤ。気をつけろ。レフィカは察しがいい」
ゼリヤは微笑んで、ジグルズ様に頭を下げた。
私ならわかるだろうと思って、ゼリヤは私に教えてくれたのだ。
イレーネお姉様は生きていて、元気でいると。
――イレーネお姉様は生きている!
私に希望が生まれた。
私とイレーネお姉様が親しかったと、後宮に出入りしていたゼリヤは知っている。
でも、ジグルズ様は知らない。
イレーネお姉様の身の安全を考えたら、警戒されて当たり前だ。
――もっと情報が欲しい。でも、そのためにはゼリヤの主であるジグルズ様の信頼が必要だわ。
「……ジグルズ様。先ほどのお話ですけど」
「うん?」
「町の運営を手伝うという話です」
「ああ。そういえば、そんなことを言ったな」
「よろしければ、私に町の運営を手伝わせていただけませんか?」
ジグルズ様は少しだけ困った顔をした。
「こちらとしては助かるが、イーザックは面白く思わないだろう」