さようなら、お別れしましょう
 町でもそうだった。

「では、レフィカに町の運営を手伝ってもらおうか」
「はい! お役に立てるよう頑張ります!」
 
 意気込む私を見て、ゼリヤが心配そうに、ジグルズ様に尋ねた。

「あの……ジグルズ様……。レフィカ様の住まいはいかがなさいますか?」
「安全な場所がいいだろうな」
「安全な場所ですか? それなら、このお屋敷以上、安全な場所はございません。腕利きの者もおりますし、レフィカ様をお守りできると思います」

 そう言いながら、ゼリヤは私とジグルズ様の顔を交互に見た。

「ただ、ジグルズ様とレフィカ様の仲を勘違いする方が出てくるかもしれません。それだけが心配ですね」
「私とジグルズ様の仲を!?」

 驚くと、ジグルズ様とゼリヤは、こちらを見て苦笑いを浮かべた。
 
「レフィカ様。先ほどもイーザック様から勘違いされたばかりです。特にイーザック様は、心穏やかではないご様子でしたよ」

 ――心穏やかではない? 私に興味もないのに?

 過去を振り返ってみる。
 一年間放置の妻、顔を合わせたのはヴェール越しの結婚式だけ――そして、トドメは新しい妻である。
 結論。

「それはありえません」

 イーザック様の嫉妬を完全否定した。

「イーザック様は私に興味を持てないとおっしゃっていました。他の方に関しても、私がしっかり仕事をこなしていれば、誰からも疑われないと思います」
「イーザック様がそんなことを言ったのか」
「噂ではお二人の仲がうまくいってないと、耳にしておりましたが、なんてひどいことを……」

 ジグルズ様とゼリヤは、そこまで相手にされていなかったとは思っていなかったらしい。
 ゼリヤの心配は取り越し苦労だと思う。
 イーザック様に相手にされなかったのは、私に男性を誘惑する力がなかった証拠である。

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