怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡
「ほら」 「……ありがとう」 「今は遠慮すんな」

部屋のベッドに横になると、体がやっと休める場所を見つけたみたいに重く沈んだ。

神崎くんはその横に椅子を引いて座る。 帰る気配がない。

「神崎くん」 「ん」 「もう大丈夫だよ」 「大丈夫じゃねぇ顔してる」 「そんなに?」 「かなり」

そう言って、彼は前髪をそっとよけた。 指先がやさしく額に触れる。

熱があるせいで、いつもよりその距離が近く感じた。

「寝ろ」 「うん」 「ちゃんと目閉じろ」 「子ども扱い……」 「病人は別」

少しだけむっとして言うと、神崎くんはほんの少し口元をゆるめた。

「かわいい」 「今それ言うの……」 「弱ってるときの顔、守りたくなる」 「それはずるいよ」 「おまえのほうがずるい」
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