ピカレスクに心酔
*
「羊~、一緒にお昼ご飯食べてもいい?」
四時間目の授業が終わり、チャイムが鳴っていた。
自席で教科書とノートを片付けていた彼女に声を掛けると、真ん丸な瞳に私が映る。
「えっ、もちろんいいんだけど……その、」
こちらの様子を窺いながら口籠る羊は、恐らく「いつもユキたちと食べてるのにどうしたの?」と尋ねたいのだろう。
なんと答えるのが波風立たず最適か、やや返す言葉に詰まった時だった。
「私と灯もいるけど、大丈夫?」
遠慮や迷いは一切感じない、芯の通った問いかけ。振り返れば、カナが首を傾げている。
彼女は羊といつも一緒で仲が良いクラスメートだ。あまり表情を大きく崩すことがなく真面目な印象を受けるけれど、実はかなり世話焼きで面倒見がいいお姉さんのような存在である。
「もし羊と話したいなら、私たち外すよ」
カナは察しがいいから気付いているのかもしれない。理由を深堀りせずそんな提案をしてくる彼女に、へらりと笑って見せた。
「全然大丈夫だよ! むしろ私が三人の中に割り込んじゃう感じになるけど、迷惑じゃないかな」
「迷惑なんてそんな……! 朱南ちゃんがいたら嬉しいよ! ね、カナちゃんっ」
「羊~、一緒にお昼ご飯食べてもいい?」
四時間目の授業が終わり、チャイムが鳴っていた。
自席で教科書とノートを片付けていた彼女に声を掛けると、真ん丸な瞳に私が映る。
「えっ、もちろんいいんだけど……その、」
こちらの様子を窺いながら口籠る羊は、恐らく「いつもユキたちと食べてるのにどうしたの?」と尋ねたいのだろう。
なんと答えるのが波風立たず最適か、やや返す言葉に詰まった時だった。
「私と灯もいるけど、大丈夫?」
遠慮や迷いは一切感じない、芯の通った問いかけ。振り返れば、カナが首を傾げている。
彼女は羊といつも一緒で仲が良いクラスメートだ。あまり表情を大きく崩すことがなく真面目な印象を受けるけれど、実はかなり世話焼きで面倒見がいいお姉さんのような存在である。
「もし羊と話したいなら、私たち外すよ」
カナは察しがいいから気付いているのかもしれない。理由を深堀りせずそんな提案をしてくる彼女に、へらりと笑って見せた。
「全然大丈夫だよ! むしろ私が三人の中に割り込んじゃう感じになるけど、迷惑じゃないかな」
「迷惑なんてそんな……! 朱南ちゃんがいたら嬉しいよ! ね、カナちゃんっ」