ピカレスクに心酔
コズミックに錯迷
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「ナイスキ~~~!」
自分の打ったボールが綺麗な軌道を描いた。体育館の床に叩きつけられ、大きく跳ねる。
傍らのケースの中に積んであるボールをまた一つ手に取り、頭上に投げ――右腕を振りかぶった時だった。
「ちょっとちょっと朱南先輩! ストップ!」
突如目の前で手をぶんぶんと振られて思わず仰け反る。
ただ真上に放り投げられただけになっていたボールはそのまま急降下し、珠々子の顔面に吸い込まれるかのごとくヒットした。
「ったぁ~~~……」
「ごめん珠々子! 大丈夫!?」
鼻を押さえながら呻いた彼女は、「大丈夫です……」とあまり大丈夫ではなさそうに自身の無事を報告してくる。
申し訳ないことをしてしまったとごく自然に思ったけれど、そもそも珠々子が急に割り込んでくるのが危ない。
「本当に大丈夫? もろに顔面で受けてたけど……」
「めっちゃ痛いですよ! というかそんなことよりですね!」
眉尻をつり上げた彼女が腰に手を当てた。肩上のラインで綺麗に切り揃えられた黒髪が揺れる。
「朱南先輩、さっきからスパイク何本打つつもりですか!? みんな引いちゃってますよ! 先輩が続けるから、周りもやめるにやめられないんです!」