偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!

 長いキスが終わり、唇が離れたとき、遠くから船が港へ近づいていることを知らせる音が聞こえた。

 それはまるで、五か月続いた『偽りの婚約者』としての時間が終わることを知らせる音のように聞こえた。

 これからは、本当に慧さんの恋人になる。
 そう考えただけで、まだ現実味がなくて、それなのに胸の奥だけはどうしようもなく熱かった。

 そんなことをぼんやり考えていた、そのときだった。
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