偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
そして今日まで、結局私は何度も慧さんに助けてもらってきた。
仕事でも。理玖のことでも。怖かった夜も。
いつだって先に手を差し伸べてくれたのは慧さんだった。
それに、慧さんは前に言っていた。
家からお見合いを勧められているけれど、自分はしたくないと。
もしかしたらあの慧さんの告白って、これを助けてほしいって話なのではないか。
だったら……ここは私の出番なのでは?
混乱した頭でそんな妙な結論にたどり着いた瞬間、高遠社長の視線がもう一度こちらへ向いた。
「はいっ! 私が息子さんを必ず幸せにします! だから、お父さまもご安心ください!」
次の瞬間には、私はなぜか言い切っていた。