偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
「それは絶対に違う。お見合いのことと、悠里に付き合ってほしいと言ったことは関係ないよ。むしろ父に何を言われてようが、そんな理由で悠里を恋人にしようなんて思わない。五ヶ月前は悠里を説得するためにお見合いを口実にしただけだ」
「……本当に?」
「本当に。俺は悠里が好きだったから付き合ってほしいって言った。今日突然そう思ったわけでもない。ずっと前から好きだったよ」
「……ずっと前?」
今度は私のほうが、聞こえた言葉の意味を理解できなくなった。
ずっと前というのは、どのくらい前なのだろう。
偽の婚約者になった五か月前から?
それならまだわかる。あの日をきっかけに、慧さんも私を意識するようになったということなら、私と同じだし。
ところが、慧さんは少し困ったように笑った。