偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
「俺、今まで彼女がいなかった期間って、ほとんどないんだよね。悠里と付き合う前の彼女とも、別れたのつい最近だったし。そういうの女の子は気になるよね?」
「そうなんだ。でも、ちゃんと別れてから私と付き合ったんでしょ? だったら別に気にならないよ」
「……普通、もうちょっと気にしない? 元カノのこと聞いたり、写真見たいとか言ったりさ」
「別れた人のことを聞いても仕方なくない? 今は私と付き合ってるんだから、それでいいよ」
「なんか悠里って、俺のこと本当に好きなのかわからないときあるよな」
冗談めかして言いながらも理玖がどこか不満そうな顔をした。
当時の私はあまり気にせず、「好きだから気にしてないんだよ」と笑って答えた。
私は私、理玖は理玖で、お互いに仕事も友人関係も大切にしながら付き合っていけばいいし、それくらいの距離感が私には心地よかった。
しかし、交際が長くなるにつれて、理玖が求める距離は私が思っていたよりもずっと近いことに気づき始めた。