偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!

「慧さん……絶対、楽しんでますよね」
「あぁ。だって、今までこんな悠里見たことなかったから。せっかくだから全部見ておきたい」

「……意地悪」
「知ってる」

 耳元で囁かれ、また頬が熱くなる。
 それから額に、頬に、もう一度唇に、確かめるようなキスが落ちてくる。

 ひとつ触れられるたびに、五か月のあいだにあった見えない壁が、少しずつなくなっていくようだった。
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