偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
そして、部長になり、片瀬悠里と出会った。
悠里はもとから営業企画部にいて、海外営業部の課長職から異動してきた俺より営業企画の経験が長かった。
悠里は、仕事ではよく考えて発言したり、資料作りを任せるとしっかり作り込んできてくれた。
感情の激しい上下は見せず、クレームにも嫌な顔をせず対応してくれ、一社員として優秀だったと思う。
また、後輩の面倒見もよかった。
報連相が徹底されていたため、トラブルの報告はすぐに上がってきたが、ほとんど悠里が「私がこれ、一緒に対応してみてもいいですか?」と失敗した後輩の隣で声を上げる。
任せると嫌な顔一つせず、後輩に教えながら一緒に解決していく。
俺が動くより、社員も気を遣わず、それでいて社員も育っていく。育った社員も同じように他の社員に対応していく。
単独プレーの多かった海外営業部とは雰囲気が全く違う。
俺がここで部長としてできることは、海外営業のように自力で成果を出し続けるようなものとは少し違うのだろう、と感じさせられた。