偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
「でも相沢さんのほうがまだ復縁迫ってきてるんなら、次の人が見つかるまで、とりあえず付き合っておけばいいのに」
「……どういうこと?」
「だから、相沢さんと付き合いながら次の人を探すんですよ。だって相沢さんって、別にドケチとかそういうのじゃないですよね?」
「まぁ……うん。それはないかな。デート代はおごってくれることが多かったから、時々私がおごるようにしてたけど」
「ほら、今時珍しいですよ。今時は彼氏彼女でも割り勘って人も多いし。とにかく付き合っておいて、いい人が見つかって、その人と付き合えそうになってから相沢さんと別れればいいじゃないですか。私、だいたいいつもそうしてますよ?」
「……いや、そもそももう別れてるから。なんでわざわざ復縁して次の人を探すのよ」
「だって、ひとりの期間がもったいないじゃないですか。それとも新しい彼のあてでもあるんですか?」
「あるわけないじゃない……」
「そうですよね~」
ちょっぴり失礼なことを言いながら、三原さんは頷き、そして指を差し出した。
「どうしても嫌なら新しい彼を探す方に全力で振り切ればいいですよ。片瀬さんに新しい彼氏ができたらさすがに諦めるだろうし」
「……そういうものなのかな」
「そういうものですよ。男の人って、相手がフリーだと『まだ自分にもチャンスがある』って思う人もいますからね。新しい彼氏ができたって言ったら案外あっさり引きますよ。婚約者とかならもっとだろうけど」
そうか……。
でも、それだけのために新しく付き合うと言うのもどうなんだ。また仕事の邪魔にしかならなかったらなぁ……なんて、色々な考えが交差する。