偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
父まで口を出してくる。
「海里から聞いたぞ。悠里、あの相沢って彼氏と別れたんだって? 三年も付き合ってたのに、なんで結婚しなかったんだ」
「なんでって言われても……結婚したいと思わなかったから別れたんだよ」
「そんな悠長にしてたら、そのうち結婚できなくなるぞ。いい相手がいたなら、多少はお互いに我慢することだって必要だろ」
「別に結婚だけが幸せとは限らないでしょ。現に結婚してなくても幸せそうな人はいっぱいいるし、結婚するためだけに合わない人と付き合い続けるほうが嫌だよ」
「そうかもしれないけど、悠里は昔から結婚したいって言ってただろ。ほら、小学校の卒業文集にも書いてあったじゃないか」
「それ小学校のときの話でしょう! いつまで引っ張るの!」
私の母校では卒業文集に『将来の夢』という題で作文を書くことになっていた。
当時これといって大きな夢もなく、ただ好きな男の子だけはいた私は、深く考えもせず『好きな人と結婚してお嫁さんになりたい』と書いたのだ。
まさか十五年以上経った今になっても、その一文が両親から結婚を迫られる材料として使われ続けるなんて、十二歳の私は夢にも思っていなかった。
今から過去に戻れたら、決してそんなことは書くなと小6の私に伝えてやりたい。
「海里から聞いたぞ。悠里、あの相沢って彼氏と別れたんだって? 三年も付き合ってたのに、なんで結婚しなかったんだ」
「なんでって言われても……結婚したいと思わなかったから別れたんだよ」
「そんな悠長にしてたら、そのうち結婚できなくなるぞ。いい相手がいたなら、多少はお互いに我慢することだって必要だろ」
「別に結婚だけが幸せとは限らないでしょ。現に結婚してなくても幸せそうな人はいっぱいいるし、結婚するためだけに合わない人と付き合い続けるほうが嫌だよ」
「そうかもしれないけど、悠里は昔から結婚したいって言ってただろ。ほら、小学校の卒業文集にも書いてあったじゃないか」
「それ小学校のときの話でしょう! いつまで引っ張るの!」
私の母校では卒業文集に『将来の夢』という題で作文を書くことになっていた。
当時これといって大きな夢もなく、ただ好きな男の子だけはいた私は、深く考えもせず『好きな人と結婚してお嫁さんになりたい』と書いたのだ。
まさか十五年以上経った今になっても、その一文が両親から結婚を迫られる材料として使われ続けるなんて、十二歳の私は夢にも思っていなかった。
今から過去に戻れたら、決してそんなことは書くなと小6の私に伝えてやりたい。